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1. 異常な体重増加とは.

 「異常な体重増加」って、どのくらいの期間にどれだけ体重が増えた場合のことを言うの?・・・ネットで検索して答えが見つかりましたか?この答えの見つけ方は「体重増加には2種類のタイプがある」ということを知る必要があります。

 ア.脂肪太り、いわゆる肥満

 イ.むくみ(浮腫)

 (おまけ ウ.腹部大動脈瘤や卵巣嚢腫)

ア.の場合の「異常」な増加は、ほとんどの場合は食べ過ぎや運動不足が要因ですから、これまでの生活を振り返ってみればわかります。肥満自体は治療の対象にはなりませんが放置しておくと高血圧や高脂血症などの病気で治療が必要になりますよ。肥満対策にじっくり取り組んでください・・・ですが⁈

 甲状腺の病気がある人、副腎皮質に病気がある人の中には、少ししか食べていないのに体重が増えるという異常が起こります。とはいえ、何か月で何キロ以上という基準はなく、そんなに食べていないのに太る一方という体重増加です。これは治療の対象となります。

イ.のむくみは、体から排泄されるべき余分な水分が体内に残り、皮膚の下にたまった状態を言います。原因は血液やリンパ液など体液の循環がとどこおることによります。トイレに行く回数が少ない(1日4回以下)、靴下を脱ぐと5分以上ゴムのあとが残る、夕方になると靴がきつくなる、むくんだ状態が2~3日続くことが多い、むくんでいる部分を10秒程度強く押すとあとが残る、などがむくみのチェックポイントです。

むくんで体重が増加した場合は腎臓病や肝臓病が疑われ、動くと咳を伴う息切れが多くなった場合は心臓の病気が考えられる、という脅し文句(?)がよくテキストに載っています。

実はむくみにもさらに2つのタイプがあるんです。それは、一時的なむくみと慢性的なむくみです。

一次的なむくみは、女性の生理と関係するむくみ、立ち仕事、お酒の飲み過ぎ、塩分の摂りすぎ、運動不足、などによるもので、血液やリンパの循環が元に戻れば解消されます。(飲み過ぎ、摂りすぎってどのくらいよ?って、ご心配なく後でお答えしますから)

慢性的なむくみは上記の脅し文句を思い出してください。腎臓は血中の老廃物を取り除くフィルターの役割を持っていますが、働きが弱まると血液の循環に支障をきたします。肝臓の機能障害では血液を正常に保つ役割があるアルブミンの生成がとどこおり、血中の水分が減って血行が悪くなり体の組織に水(代表的なのは腹水)が溜まりやすくなります。心臓は体中に血液を送るポンプの役割を果たしますが、問題が起こると血液が一部(代表的なのは肺水腫)に溜まりやすくなりむくみの原因となります。

で、異常という基準は?

軽いむくみなら、1,2週間で体重が2,3㎏の増加。2,3日で3kg以上の増加⁈

「異常」という意味が想像できましたか?

ウ.これは体重増加そのものよりも、体型的に異常な「ポッコリおなか」なのでおまけとしました。妊娠中でもないのに変、という時はぜひドクターに相談を。

 「異常な体重増加」といわれたときに、皆さんに一番気づいてもらいたい重要なポイントは、実際の体重や期間の「数値」ではありません。体重増加とともに、その人の体調に変化が起こっていないか、そこに注意を向けることが重要です。あなたが変だと思ったら、このままにしておいても大丈夫なのかと不安を感じたら、なんでも、どんな時でも、ナースやドクターに報告し相談して解決するべきです。

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