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10. 便秘対策の番外編?

1)排便環境について考える

 通常は、便意を自覚してからトイレまで自力で移動し、衣服の上げ下げや排泄後の処理を行います。これが自力でできなければ不安を生じ落ち着きませんし、失禁の原因にもなります。

 排便環境の影響は精神的にも大きな影響をおよぼします。トイレ介助が必要な場合、一般のトイレでは介助者が一緒に入るスペースが十分にありません。かと言ってトイレのドアを開け放して介助すれば、露出した自分の下半身を周囲にさらすことになります。その辱めは皆さんにも容易に理解できますね。トイレの前に仕切り用カーテンなどを用意して急ごしらえの前室を設けるか、車いす用のトイレなど十分な広さのあるトイレを利用するよう配慮しましょう。

2)疾患について考える

 手足の麻痺や筋力の低下を伴う疾患は、トイレまでの移動やいきみに影響を与えます。また、投与中の薬剤の影響も下痢や便秘を引き起こす可能性があります。

3)消化管機能(小腸・大腸での便形成機能など)について考える

 食べたものがきちんと消化され、便となって直腸まで運ばれてくるかどうかです。このプロセスの問題を見極めるには、食事の量や内容、排便の回数や便の硬さを一定期間、記録していくことが大切です。

4)介助の時の双方の心情について考える

 これが一番大切なことかもしれません。

 トイレを利用する回数が多いのに自分一人でトイレまで行けない、衣類の上げ下げを手伝ってもらわないとできない、悲しいかな自分のトイレの後始末ができない、などなど介助を受ける本人はスタッフに迷惑をかける自分が情けないと痛感しているはずです。

 一方、介助につかなければならなくなったあなたはどんな気持ちで接していますか?

早くしないと漏らしちゃうから急げよ、こんな狭いトイレでズボンを下ろしてやるんだからもう少し痩せろよ、後ろ向きに立ってるから早く済ましてよ、ハイ両手で私の肩にしっかり手をかけて…ああ、重たいなあ、・・・そんな思いも時には頭を過(よぎ)らないですか?

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