You are currently viewing 14. とろみ剤を使ったレシピ、クックパッドに載ってるんだけどあれって介護食なの?

14. とろみ剤を使ったレシピ、クックパッドに載ってるんだけどあれって介護食なの?

 それって、介護食用のレシピだから問題ありません、と片付けるところでしたが、念のため調べてみました。ありますね、いくつか、介護食用とは思えないレシピの紹介が。

 まあ、料理のことはさっぱりのDrヒマダーですから敢えてどうのこうのは言いませんが、そもそもとろみ剤が生まれた目的、およびゼリーとの違いについて御託を並べるくらいはいいでしょうか?

 「ゼリー」の語源は、gel、gelatinで、肉や魚を煮るなどして熱を加えた際、コラーゲンが変性し冷えた後に固まってできる「煮こごり」です。変性したコラーゲンを「ゼラチン」=「ゼリーのもと」と呼び、ゼラチンによって作るものがゼリー、つまりゼリーはコラーゲン由来のものだったわけです。

 その後、17世紀に日本で、海草から抽出した「寒天」が、羊羹などに使われるようになりました。寒天の主成分はペクチンという多糖類ですが、「ゼリーに似たもの」として一般的にゼリーと呼ばれるようになりました。

 「ゼリー」は「甘くて、水分が多くて、つるんとして、やわらかい」もの、温かくなると溶けるものが多い、と言ってもいいかもしれません。

 一方、「とろみ」とは大辞林を開いてみると「料理で、少しとろりとした状態をいう語」としか書いていません。ウィキペディアでは「とろみとは、液体に多少の粘度がある状態を指す表現。主に食品に関係する分野で使用される」と書かれており、さらに、「また、ゆっくりとまとまって食道に流れやすくなって気管への誤嚥を防止する効果があり、介護食では幅広い料理にとろみが利用されている。そのため、とろみ調整は介護食調理の重要な要素を占めている」と載っています。

 Drヒマダーが医者になったころ、「きざみ食」というのをよく耳にしました。今でももちろんきざみ食は存在します。ところがその後、介護食というものに人々が注目し始めたころ、嚥下障害のある高齢者に「水分やキザミ食は危険」と言われるようになりました。「水分やキザミ食のように、細かく「分かれて」しまうものは、大半が食道へ飲み込まれたとしても、ばらばらに分かれた一部が気管に入っていきやすい」というわけです。

 つまり、水やきざみ食をひとまとまりにするためにとろみが必要ということです。

 さらに、高齢者・障害者の方では、嚥下反射のタイミングがゆっくりになっていることが多く、ただの水だと、咽頭を通過するスピードが速すぎて、気管が蓋で閉じる前に誤嚥につながってしまうことがある。だから、のどに落ちていくスピードをゆっくりするために、とろみをつける必要があるということです。

 こうしてみると、「とろみ」という言葉自体は料理の表現に使われるけれど、「とろみ剤」というもの自体は嚥下障害や誤嚥を防ぐための食品というべきもののようです。

 「とろみ剤を使ったレシピ」について言及することは避けたいと思いますが、「とろみ」についての私見を述べることも避けたいと思います。なぜ?深海のように奥が深く先が見えないからです。

 例えば、プリンもゼリーも食材に使われているのは、ゼラチン様のものです。言い換えれば、温めると溶けて水分を含むというものです。しかし、ゼリーなら飲み込めるのに、プリンはだめ、という高齢者もいます。とろみ剤の量加減で嚥下できるかどうかも、同じ高齢者であっても違うということもよく言われます。さらには、メーカーの研究開発もどんどん進んでいます。医者がどうこう言うよりも、介護食品専門のお店のスタッフに聞いた方が的確な答えが得られるかもしれません。そういうエキスパートがいる時代になってほしいものです。

 あ、思い出した!

 みなさんは、お粥ってどうやって作ってますか?

 1) 火にかける時間が短いおかゆの作り方

*おかゆは体調を崩している人に作ってあげることも多いと思います。「起きたらできたてを作ってあげたい、少しでも早く食べさせてあげたい」、そんな時は、お米を浸水させておいて10分ほど時間を短縮しておかゆを仕上げるのもおすすめです*

通常のおかゆレシピは炊く時間が30〜40分ですが、浸水した米で炊くおかゆなら20〜30分で出来上がります。米を研いだあとに水に浸けて浸水させておくことで、火が通りやすくなるためです。

米1/2合に対して水600mlと分量は同じ。ただ、米を研いだら、夏場は30分、冬場は1時間ほど水に浸けて、米全体が白くなって白濁するまで浸水させます。その状態で炊き始めます。炊く時間は弱火にして20〜30分でOK。この作り方では特に蓋は必要ないので、時折しゃもじなどで底を混ぜながら炊いてください。20~30分炊いて、ちょうどよいとろみ、硬さになれば、塩ふたつまみを加え、ひと混ぜして完成です。

 2) 「1人が風邪ひき、7人は元気」…

と、いうわけで、ひとりぶんのお粥を作ることも多い介護現場、もちろん、残りのメンバーは普通のご飯を食べるわけですから、炊いたご飯を使っておかゆを作ります。炊いたご飯で作るおかゆは短時間でできますし、冷凍ご飯からも作れますから、急に体調を崩したときなども便利です。

レシピというほどではないですが、ご飯から作るおかゆの作り方です。

『ご飯から作る1人分のおかゆ』

<材料>

・ご飯 お茶碗1杯分

(炊きたてでも、冷凍ご飯を解凍したものでもOK)

・水 500ml(水の量はお好みで加減してください。このレシピは病人向けなので少し柔らかいかもしれません。全がゆでしたら、ごはんとお水が「1:2」くらいかな?)

<作り方>

・小さな鍋(行平鍋・ミルクパンなど)にご飯と水を入れて、ご飯粒を潰さないようにバラバラにほぐす。

・鍋を強火にかける。ふつふつと表面が泡立ってご飯粒が泳ぐようになったら、弱火にする。吹きこぼれないように、1~2センチほど隙間ができるようにふたをして10分間。(途中で1回ほど優しく鍋底をこするように混ぜる。)

・10分たったら火を止めて、ふたをピッタリとして5分ほど蒸らしたらできあがり。

( 蒸らすとふっくらとしたお粥になります。)

お好みで、塩や梅干し・塩昆布・味噌などでどうぞ。余ったら冷凍しておくと、突然の風邪ひきさんに対応できます。(ダイエットにもよさそうです)炊きたてのご飯から作るほうが、一粒ずつほぐれやすいので簡単かもしれませんね。長く炊きすぎたり混ぜ過ぎたりすると、のり状になってしまうので注意してください。

(なんで、こんなことまで調べなあかんの?ホンマ、Drヒマダーだわ)

参考にした資料:

ケアマネなら知っておきたい!“介護食”の基礎知識、ケアマネジメントオンライン

おかゆ(お粥)の作り方/レシピ、白ごはん.com

ご飯から1人分のおかゆ、MOONIE’S TEA ROOM

【食べる力に合わせて】介護食の種類(嚥下食・きざみ食・ミキサー食・ソフト食)、みんなの介護

スマイルケア食(新しい介護食品)、農林水産省 

「とろみについて」 報告と雑感、室蘭登別食介護研究会 第3回研修会

 

コメントを残す