15. 入居者が歩きにくいのは、床が滑りにくいからだと思います…

皆さんは「こいつ何言ってるの?滑りやすくしたら転倒しまくりでしょう?」と言うでしょうね。でも、さすがDrヒマダー、暇に任せて調べました。そしたら、ありましたよ、床の「防滑性」というタイトルで。

 床面での転倒事故発生となる要因

 ・床材の材質・形状

 ・床面の状況(水・砂など)

 ・歩行者の履き物

 ・歩行者の行動

これらの要因の組合せにより、転倒事故のリスクは変化します。

転倒しにくい状況

(床材)適度な弾力性がある・エンボス(凹凸)などの滑り止め形状がある

(床面)乾燥していて清潔である

(履物)靴底に適度な弾力性がある

    滑り止め形状がある

    安定感がある形状の履物

    素足など

(歩行者)ゆっくりした動作

    平静心

    正しい姿勢

転倒しやすい状況

(床材)表面が硬くて平滑

    滑り止め形状がない

    やわらかすぎて安定感がない

    極度に滑りにくい(引っかかる)

(床面)水や土砂が飛散している

    油や洗剤などが付着している

    降霜、凍結している

    積雪や圧雪状態

    防滑性の異なる床材が部分的に施工されている

(履物)靴底がすり減っている

    靴底が硬くて平滑である

    ハイヒール、厚底サンダルなど安定感の低い形状の履き物

    スリッパやサンダルなどすり足歩行になるもの

    特定の用途に限定された履物(*)

(歩行者)急ぎ足(焦り)

    駆け出し(緊急事態)

    急停止

    方向転換など

(※)雨天時・水濡れ時には使用できないスニーカーなど、限定された用途向けの専用シューズ

滑りにくさと安全はイコールではない

人が歩行する際、一般的に「滑りやすい床」は、転倒事故や、転倒への不安や緊張感による疲れをまねくため、「滑りにくい床」の方が安心して歩けると考えられます。しかし、「極度に滑りにくい床」は、歩行の際に靴の裏が床にひっかかり、つまずいたりして、転倒の危険度も増し、決して歩きやすい床とはいえません。安全で快適な歩行感や機能を持つ床とは、「滑り」のバランスのとれた状態を有する事といえます。

滑りやすい床は、

 転倒の危険性が非常に高い。また、転倒への不安や緊張感を引き起こすため、 歩行の際の疲労感が増す。

極度に滑りにくい床は、

 滑りにくすぎると靴の裏が床面に引っかかりつまずきやすくなるため、転倒の危険度が増す。

防滑性のポイントはこの両極端の間にあって、滑りのバランスがとれた床であること(乾燥状態と湿潤状態での差が小さい)、湿潤状態でも滑りにくいこと(表面状態が水+ダスト)。

歩行感覚の変化について

部分的に床面が水濡れしている場合や、防滑性の異なる床材が場所によって張り分けられている場合、床面の歩行感覚に変化が生じます。また、新しい床材と長年使用した床材とでも、歩行感が異なります。ご注意ください。

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