第2回認知症講演会が無事に終了いたしました。

講演会のご報告をいの一番にするのが筋というものですが、講演会の後で直接受けたご質問にお答えもせずに終わってしまった、宿題のほうが気になりまして・・・。
このホームページを知っている方だといいのですが。
関係者の方だと思うのですが、参加者名簿に所属を書いていただかなかったので探し当てることが出来ませんでした。
大して参考にもならないかもしれませんが、どうかここを見つけてくださいますように。
(1)パーキンソン病の治療中の患者様です。午前中は快調なのに、夕方になると症状が悪化してきます:
L-Dopaを服用中の患者様でしたら、wearing off 現象かもしれません。
① wearing off 現象: L-Dopa の薬効持続時間が短縮し、効果が出て2-3時間しか持続しなくなり症状の日内変動が出現する。ドーパミン系神経細胞の変性が進行して、ドーパミンの保持能力が低下したために起こると考えられています。つまり、ドーパミンが短時間に使われてしまって、効果が持続できない状態なので、対策としては、L-Dopa を症状にあわせて少量ずつ頻回投与するという方法がとられます。薬を変えるという方法もありますので、先生とよく相談されることをお勧めいたします。
これとよく似た現象に on-off 現象というものがあります。
② on-off 現象:薬剤の服用時間に関係がなく、突然スイッチが切れた(off)ように症状が増悪したり、またスイッチが入った(on)ように突然回復する。原因は不明。on-off 現象が消失するまで一旦 L-Dopaを徐々に減量し、再び漸増、少し低い維持量を目指します。
(2)パーキンソン病の歩行訓練について;床にマーキングして歩行練習するとうまく歩けるようですが医学的に説明できることですか:
随意運動に関する神経経路として、(a)基底核-補足運動野を通る内発性随意運動系と(b)小脳-運動前野を通る外発性随意運動系があり、パーキンソン病では、内発性随意運動系が障害されますが、外発性随意運動系は保たれているといわれます。
リズム音の聴覚入力はこの外発性随意運動系を駆動させるので、歩行の改善があると考えられます。同様のことは、聴覚のみならず、視覚や触覚入力でも起こりうるので、パーキンソン病の歩行訓練に、リズム療法(リズムに合わせて速度や距離やタイミングを調整する)やターゲット療法(着地の目標点を調整する)が効果的と考えられています。
難しい説明で申し訳ありません。
ほんのちょっと疲れました。でも、いつも患者様とそのご家族にしか接しない職業、今日は一般の市民のかたがたとほんとに身近に接した気持ちがいたしました。これからも3回、4回と続けていきたいと思います。
少し休憩・・・。