「総合診療科」をご存知ですか?

「総合診療科」構想は、とかく「専門医療」を錦の御旗のように掲げる現代医療の中で、かつて叫ばれながら軽視されてきた「全人的・包括的」な医療を再度めざそうとするものです。


 どの専門診療科に受診してよいかわからない患者様の初期診療を行い、専門家への振り分けも行い、さらに、高度な専門医療を必要としない場合や、複数の診療科の掛け持ちが必要な場合の総合診療も行います。
 現在の医療は、脳神経外科に始まった医師の専門指向とあいまって医療技術の高度化・専門分化が進み、特定の領域の疾患しか診ることのできない臨床医が増加いたしました。今では「専門医」は腐るほど全国に存在します。その数は世界でも1,2を争うほどです。医師と患者の心が通う医療本来の姿が見失われる傾向が(今頃になって)危惧されているのです。
 専門医による高度医療を必要とする患者は、全体の約4%と極めて少ないという欧米の調査結果もあります。受診患者の73%はいわゆる家庭医によって治療され、専門医に紹介されることなく解決しているという外国の報告もあります。
 当院では、開院以来の、パートナーシップが基本理念である医師と患者関係を大切にし、専門医偏重主義の弊害と立ち向かい、全人的な医療ニーズに応えられるよう努力を怠らず、地域に密着し、健全な診療を行うことのできる総合診療医(家庭医)をこれからも目ざしていこうと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。