周辺症状について(認知症シリーズ -5-)

今回から、いよいよ周辺症状に入ります。
周辺症状は前述した中核症状に、元々有った性格・素質や環境・心理状態が加わり起こるもので、不安・焦燥、うつ症状、幻覚・妄想、徘徊、興奮・暴力、不潔行為、せん妄など様々な症状がみられます。
このような症状はつい最近まで「問題行動」「異常行動」と呼ばれてきました。
しかし、問題行動とは、介護する側が困難で問題であるとしているだけで、認知症の人の立場に立った考え方では無いと考えられ、現在では「行動障害」という用語に代わっています。
行動障害は脳の障害に伴う認知機能が原因で起こる行動上の障害を意味し、出現する行動にはそれなりの原因があるという考えからきたものです。
「痴呆症」が「認知症」に、「問題行動」が「行動障害」に代わったけど、実際に介護し、介護されている沢山の方々は・・・?呼び方は代わっても周囲の意識が変わらなければ同じことと感じます。
沢山の人が認知症を理解し、みんなが住みやすい世の中にして行きたいですね。
お話がずれてしまいました・・・。
周辺症状は中核症状と違い、全ての人に見られるものではありません。
その症状も固定せず、揺れ動きますが、治療や対応の工夫によって改善されることも、多くあります。
記憶障害を中心とする認知機能障害からもたらされる、混乱や不確かさ、不安や葛藤を基盤として、これらの神経症状や行動障害が出現しやすいと言われているからです。
そのため、本人が安心できる適切なケア、規則的な日々の生活リズムを大切にし、身体的に良好な状態を保つ事で改善する事も多く、逆に不適切なケアやなじみのない環境、身体的な不調などによって、悪化していく事もあります。
医療によって、中核症状は、ある程度その進行を抑える事は可能です。
さらに適切なケアにより周辺症状の改善が図れれば、認知症の症状は緩和されるでしょう。
認知症は、医療とケアの両面から関わっていくことが、大切と思います。